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ローゼンメイデンとローゼンクロイツ・その1【修正済】

水銀燈「私は水銀燈、闇を纏わされ、逆十字を標された、薔薇乙女最凶のドールよ」(原作Phase 36より)
 自らを呪われた存在であるとする水銀燈の自虐的な自己紹介は、受動態の動詞が「お父様」への恨み言に聞こえるのがなんとも物悲しいのですが、とにかくこの発想は、キリスト教徒のものと考えて問題無いでしょう。キリスト教が唱える救世主・イエス=キリストが磔刑に処された十字架が神性の象徴なら、その天地を引っ繰り返した逆十字は神への反逆の象徴であり、転じて悪魔崇拝の象徴でもあるらしいからです。

 さて、水銀燈が隠れ住んでいた廃教会の「十字架」、水銀燈のドレスに標された「逆十字」、と来れば、ローゼンメイデンにおけるもう一つの十字架についても触れなければなりません。薔薇乙女たちの鞄の紋章である、「薔薇十字」です。

 欧米の方なら馴染みが深いのかも知れませんが、薔薇十字とは「薔薇十字団」の紋章です。もっとも、本物の薔薇十字団の紋章が薔薇の花と十字架の組み合わせであることまでは間違いなさそうなのですが、実際には色々とバリエーションがあるらしく、ネットで調べてみたのですが詳しいことは分かりません。なにしろ、薔薇十字団そのものが謎の秘密結社らしいのです。

 こういう言い方をすると、世界を影から操る国際的陰謀組織か何かのように聞こえますが、そういう噂の多いことで有名な「フリーメーソン」と同じく、その実態も構成も目的もよく分かりませんし、実のところ私はあまり興味ありません。ローゼンメイデンにおいて重要なのは、薔薇十字団の始祖とされる人物が伝説の「クリスチャン=ローゼンクロイツ(Christian Rosenkreuz)」であるというこの一点のみなのです。

 ローゼンクロイツ(Rosenkreuz)は、ドイツ語で「薔薇の(ローゼン、Rosen)」「十字(クロイツ、Kreuz)」を意味します。イタリア語で「奇しき薔薇」を意味するローザミスティカが聖母マリアを意味するように、キリスト教において薔薇は聖母マリアの象徴であるらしく、さらに下の名前がキリストに由来する「クリスチャン」ともなると、いくらなんでもちょっと出来過ぎた「偽名」に思えてしまうのは私だけではないと思います。実際、ローゼンクロイツに関する研究によると、どうやらクリスチャン=ローゼンクロイツとは架空の人物らしく、しかし17世紀に実在の人物として宣伝されたために今でも多くの人がその実在を信じているとする説が、私がネットで調べた限りでは最も信憑性が高く感じます。

 しかしこれでは話が終わってしまいますので、伝説として語り継がれるクリスチャン=ローゼンクロイツが実在したと仮定して続けます。というのは、クリスチャン=ローゼンクロイツはその死の120年後に死体が発見されると予言したり実際そのとおり見つかったりその死体が全く腐敗していなかったりと不思議な噂の絶えない人物なのですが、その生まれ変わりとされているのが、不老不死と噂される伝説的錬金術師・サンジェルマン伯爵(Comte de Saint-Germain)なのです。

 サンジェルマン伯爵は、18世紀頃に活躍した、実在の錬金術師とされています。しかし錬金術師を名乗る多くの人物が詐欺師呼ばわりされた歴史からも、今となってはその真偽はよく分かりません。とにかく、史実はどうあれ、ローゼンメイデンの作中においてサンジェルマン伯爵はローザミスティカの生成にやっとの想いで成功した人物です。その前世が薔薇十字の紋章にゆかりのローゼンクロイツというのも、その薔薇十字の紋章が薔薇乙女たちの鞄に使われているというのも、PEACH-PITさんたちの教養の深さにはただただ感服するばかりです。

続く
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コメント

何というか・・・ (自分の意見では)
>PEACH-PITさんたちの教養の深さにはただただ感服するばかりです

それは多分、後付ではないかな? と自分は思います。
最初にやっちゃったので、気付いてからお2人で猛勉強をして、きっちりと話の前後の整合性を整える事に成功した・・・、ということではないかと。 ま、いずれにしてもPeach-Pit 先生達の学習(知識取得)の姿勢には感服するばかりですが。

 また、別の漫画「ゼロ -The man of the Creation-」に出てきたネタの事を色々思い出したのですが、凄まじい長文になってかなりしつこくなり兼ねないので、軽く触れるだけにしておきます。

あと、“お父様”ことローゼン氏が「キリスト教に関与する何らかの事項に対して、恨みのような年を抱いているから水銀燈の衣装・翼・眼はあのようなデザインになったのでは?」とかつて自分は推察した事がありますが・・・ つまり、それに関するお父様の事情を、彼女は全く知らされていないということですよね。 その上で、後に蒼星石や真紅のような衣装や髪のデザインのドールが創られたりするもんだから、本当に水銀燈からすればたまったもんじゃないでしょう。特に蒼星石と真紅に対して、彼女は憎しみと同様の感情を強く抱いて当然かと思います・・・。 だから、その結果・・・(半泣)
(しつこくなりそうなので、この辺りで切り上げておきます。それでは・・・)
はじめまして
ローゼンメイデンは大好きなんですがここまで深く考えたことはありませんでした。改めて物語りの深さを知り、それに気づかせてくれる弓月水晶さんの記事にとても感動しました。これからも拝見させていただきます^^
Verdazuri-Hgさん、
>後付では
そっ、その可能性は考えたくなかった…ッ!!
雛苺の「7人の薔薇乙女が一斉に目覚めたのよ」とコリンヌの「かくれんぼしましょう」は布石が打ってありましたが、巴の「どうして忘れていたのかしら」は全くの新ネタですもんね…。それでも、「整合性」の高さについては本当に凄いです♪
>別の漫画「ゼロ…」
これはまた、渋いマンガを…。私は少ししか読んでませんが、「トリノの聖骸布=ダヴィンチによる人類初の写真」説は衝撃的でした。ダヴィンチも神(というより聖職者?)に挑戦的だったらしいですね~。
>お父様の事情を、彼女は全く知らされていない
そのとおりですよ~、これこそが薔薇乙女たち最大の不幸だと思います。

ギンさん、
初めまして~&コメントありがとうございます~♪
そんなに誉めて頂くと恥ずかしいです…。
これからもご贔屓下さいね~♪
おお、勉強になりますですぅw
ローザミスティカってイタリア語だったんですね、
以前ボクも調べたのですが、聖母と関係あるらしい、
ってこと位しか解かりませんでした。

それと、クリスチャン・ローゼンクロイツは、ボクの手持ちの資料
では(1378-1484)とあり、随分長生きしたみたいです。
確かに、サン・ジェルマンとして生まれ変わったとも記されてます。
また、ローゼンクロイツは1910年代の時点で再受肉している、
とあり、ひょっとしたら、今現在まだ生きてるかも。

前世は、福音史家ヨハネ(ヨハネ福音書、黙示録、書簡の著者)で、
ヨハネ福音書に登場するラザロと同一人物であり、
その前はカインの子孫であり、ソロモン神殿の建築者でもあった、
とも記されてます。なんだかとんでもなく神聖な人物らしいです。

また、薔薇十字の由来は、ボクが調べた限りでは、神秘学などの秘教に
踏み込まなければ、その本当の意味は理解できない、との印象を持ちました。
ももたね先生が、どこまで踏み込んでられるのか、大変興味があるところです。

Verdazuri-Hgさんの言われるように、後付であるにしろ、
神秘学は本当に難しい、表面的な論理だけなぞって行っても、全く
歯が立たない。でも、ひどく真実な面もあって、時々仰け反ってますw

ところで、水銀燈の自己紹介の言葉は、その余りのカッコ良さに、
ボクはクラクラしてしまいましたよ。(ミーハーですねw)
原作はコミックしか持っていないので、6巻以降の話は分かりませんが、DVD3巻が発売になって、タイムリーな話題だったので気になって少し調べたのですが、どうやら自分には難しすぎたようですorz

弓月水晶 さんの以前の考察の中に、ローゼンの正体はデカルト説、水銀燈の誕生年は1901年以降説とあったので、今回の考察と、原作をあわせると
デカルト→ローゼンクロイツ→サンジェルマン→カリオストロ→?→ローゼン
こんな感じなんでしょうか?
原作にもカリオストロは教会に逆らったと有りましたし、ローゼンがその辺を引きずっている可能性も有るのかも知れませんね。

それにしても、ローゼンメイデンにこんな難しい仕掛け?があるとは…頭痛くなりそうです。
真紅命さん、
>ローゼンクロイツは1910年代の時点で再受肉している
お~っ!! では幼い日のジュン君が出会った人形劇のおじいさんは、ひょっとして…!!
>神秘学は本当に難しい
本当に、すっごく興味はあるのですが、難しいです…。
>クラクラしてしまいました
ローゼンメイデンの台詞回し、決まってますよね~。たまに自分で使ってみたくなります。

チbeさん、
>→サンジェルマン→カリオストロ→
実は、この記事の続編として、サンジェルマン≠カリオストロ説を展開してみました。よろしかったらご覧下さい~ご意見&ご反論などお待ちしてます~♪
>頭痛く
どうか、あまり難しく考えないで下さいね。むしろその反対に、今後の展開を予想して楽しむ道具として、物語の背景を考察していますので。
水銀燈について
やっぱりコスするからには研究したいのでいつも参考にさせていただいてます。
錬金術師という職業がキリスト教からある意味離反していることを考えれば水銀燈の第一ドールとしてのデザインはむしろ宣戦布告、みたいな感じで最愛のドールな気すらします。そして前に名前のところでも思ったのですが、水銀は昔は不老不死の薬とすらされていて錬金術にも重大な役割を持っています。だから本当はお父様は水銀燈だけを作るつもりで、それがアリスにいたらなかったから次次にドールをつくっていたのではないかなあ?などと思います。そしてそれぞれの名前にも真紅のドイツ語が「ルビーのような」とされていることから雛苺を除く6体には「水銀」「金(カナリア)」「翡翠(翠星石)」「瑠璃(蒼星石)」「ルビー(真紅)」「水晶(とさせていただきます)」まあ今の錬金術がもとめるものを考えると翡翠と瑠璃ではなくエメラルドとサファイアと考えるほうが妥当かもしれませんが。そうすると私は「雛苺」の存在が不思議でならないんですよ。もし、お父様が二人いて人形師と錬金術師との間に確執があったなら錬金術師への反抗として宝石とはまったく関係ない名前の「雛苺」をつくったのではないかなあ、と。そして「雪華綺晶」は人形師の「お父様」でなく一から錬金術師の「お父様」がつくったのではないでしょうか?漫画を見ていないのでわからないのですがそうすると雪華綺晶が一番に雛苺を倒した理由も水銀燈にローザミスティカを渡す取引をしたのもつじつまがあう気がします。なんだかわけわからない考えで本当に申し訳ないんですが…とりあえずこのあたりで
和姫さん、
>私は「雛苺」の存在が不思議でならない
この一言が…衝撃波となって私の頭蓋骨の中で反射し続けています。と同時に、何か重大なヒントを頂いた気がします!!
「宝石とはまったく関係ない名前」の他にも、
・「7つの美徳」仮説でも、雛苺だけイメージカラーが合いませんでした。
・名前も、他の6体は「音読み」なのに、雛苺だけ「訓読み」です。
など、雛苺が「例外的存在」であることが、ずっと心の奥底に引っかかっていたのです。
ん~~、これは面白い研究テーマになりそうです。ありがとうございました~♪
とりあえず、この一言だけを・・・
(某家電店PCコーナーからローゼンはー・・・ ;)

少なくとも、「音読み」・「訓読み」については関係ないだろう、と一言だけ言っておきます。 それ以外のことに関しては、あとでまた・・・
Verdazuri-Hgさん、
>「音読み」・「訓読み」
訂正です~!!
「金糸雀」の音読みとして「キンシジャク」があるらしいですので、「かなりあ」(または「かなりや」)が訓読みになるような気がします(外来語ですが)。すると…薔薇乙女のうち「ロリっ娘」は訓読み、という法則になるのでしょうか??(マテ)

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