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水銀燈の媒介候補として人工精霊のメイメイが柿崎めぐを選んだ理由(2)

 一昨日の続きです…。例によって完全ネタバレですのでご注意下さい。
 ややっ!! いつの間にか2万ヒットの大台突破。皆様ありがとうございます~。
 めぐちゃんが死にたがっているもう一つの理由、それは「こんな壊れた子(=ジャンク)は早くイッちゃった方がみんな円満だと思う」から。めぐちゃんは病院スタッフの世話を焼かせっぱなしで、ご両親を悲しませてばかりで、その上自分の命が助かるためには赤の他人から心臓まで貰わないといけないという現実に耐えられないのでしょう。「他人から奪うだけの自分」に存在価値を見出せず、「心臓移植手術さえ成功すればみんな幸せになれる」という具合のポジティブな考え方は出来ないのです。
 この点、水銀燈はどうでしょうか。水銀燈はアリスにはなりたがっていますが、それは薔薇乙女としての命を終わらせたいわけではありません。ただただ、大好きな「お父様」に会いたいだけ。今まで、水銀燈が心を許せる人物は他にいなかったのでしょうか。水銀燈がマスターとの絆を頑なに拒絶する理由は何でしょうか。
 この疑問に対するヒントは、水銀燈の特殊能力にあります。他の薔薇乙女が、本来の力を発揮するためには人間(媒介)と契約を結んでその力を提供してもらう必要があるのに対して、水銀燈だけは、「契約しようとしまいと人間の力を奪うことができる」(単行本第5巻収録 Phase 23)のです。翠星石が「あの子はちょっと特殊…なのです」(単行本第3巻収録 Phase 18)と言っていたのはきっとこの事ですね。
 それにしても、このことをめぐちゃんに告げる水銀燈、何だか妙じゃありませんか? 「貴女みたいな死にかけの人間ならすぐイッちゃうかもぉ…」なんて、これから契約させようというのに何故わざわざ相手に抵抗されそうなことを言うのでしょうか。契約を結ぶ上で公正に情報を公開しているというわけでもありません。だって、「でもそんな事私には関係ない…」と続くのですから。これではまるで、水銀燈がめぐちゃんをいじめているようにしか見えません。これは普段は非情なまでに合理的な水銀燈らしからぬ言動です。
 考えられる可能性は、こうです。水銀燈は、「人間の力を奪う行為を自己正当化している」のです。ひっくり返せば、水銀燈は本当は人間の力を奪うことに罪悪感を感じているのです。しかしアリスゲームに勝利するには人間の力が必要。だから、わざと悪者に徹して、あえて人間を「糧」と呼び、人間が食事をするのと同様に水銀燈は人間の力を奪う。水銀燈はこのように自分で自分を誤魔化しているのだと思うのです。
 では、何故素直に人間と契約できないのでしょうか。ここまで考えて、私は恐ろしい仮説に辿り着きました。それから何ヶ月もぐずぐずと文章に出来ずにいたのは、自分でも信じたくなかったからです。

 恐らく、水銀燈は、過去に、人を殺しています。雛苺が巴ちゃんを殺してしまいそうになったように、水銀燈も過去にマスターから力を奪いすぎて、死なせてしまったのでしょう。その罪悪感とトラウマの故に、もう契約を結びたくは無いのです。また、その罪悪感から逃げるために、人間の力を奪う自分を正当化する必要があり、まるで自分が食物連鎖の上位にいるかのように人間を「糧」として扱うのです。本当は水銀燈も、めぐちゃんと同じく、「奪う者」である自分自身を許せないのでしょう。

 まとめますと、水銀燈とめぐちゃんの共通点は、自分を「奪うだけの者」と思い込んで自分の存在意義を見失い、現世に絶望し、来世を夢見ている、と言った所でしょうか。こんな二人を引き合わせた人工精霊メイメイの手腕は本当に凄いですね。そして二人の出会いはお互いに救いをもたらす筈です。めぐちゃんは生まれて初めての友達を得て、「与える」ことが出来るようになりました。水銀燈に自分の命を差し出そうとしているのは自殺願望の正当化に見えるのでちょっと違うと思うのですが。水銀燈も、自分と近い存在であるめぐと契約する方向にだんだん心が揺らいでいるようです。なんにせよ、二人には幸せになって欲しいものですね。
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コメント

自分なりの考えでは・・・
今回は前回とは異なり、まじめな内容で・・・

>ここまで考えて、私は恐ろしい仮説に辿り着きました。それから何ヶ月もぐずぐずと文章に出来ずにいたのは、自分でも信じたくなかったからです。

 として、「彼女がかつて人を殺したことがある」のをその対象に挙げるというのは・・・ まあ、僕があまりにも冷たく、冷静で突き放しすぎる様な考えをしているだけかも知れませんが・・・
「恐ろしいことではない」「寧ろ当然の論理的展開で、誰でもすぐわかるだろう」
というように、読んでいて感じました(これには、感性というかそんなものの違いが僕と弓月水晶さんとの間にある“だけ”かも知れませんが)。
まどろっこしい表現で誤解を生むかもしれない言い方かもしれないので、直接的に言いますと、
「十分信じるに値する、恐らく事実であろう過去の事象」
だということです。

あと、
>メイメイの手腕が凄い
という表現には、違和感を感じました。
これは、恐らくは、あくまでも「同類(多分)の“存在を感じ”取った」というわけであり、メイメイが確実にめぐの心理を分析・理解したわけではない,と考えているからです。つまり、「めぐ“の存在を感じた”ことが本当に凄い」のだ、と表現するべきでは? と。

あと、確か原作版最新・32Phaseで銀様がめぐと身体を触れ合わせているときに「これが真紅の言ってた、“絆”というものなのか?」と思っていることから、実はそれまで銀様には“罪悪感を感じる・トラウマになる・自分が許せない~”という思考は無かったのでは? と考えています。寧ろ今回の心境の変化は初めてのことだと思われたのですが・・・


ちょっと引っかかったことがあったので、こんな事を述べて見ました。 (実は手元には資料の類が一切無く、確認の使用が無かったりして・・・ ←マテ)

最後になりますが、
>なんにせよ、二人には幸せになって欲しいものですね。
 激しく同意。ともに、人形・人間部門では大好きキャラクターでトップの座に君臨しておりますから(見た目だけで選んだわけjぢゃない! 念の為)

それでは、失礼しましたあ~・・・
Verdazuri-Hgさん、
おぉ、本格的なご意見、ありがとうございます!!

>当然の論理的展開
そう言って頂けると救われます~。正直、ロジックの部分には自信あるんです♪ 締め切り(第6話の放送開始時刻)が迫っていたので文章の推敲はダメダメですが。
ただ、PEACH-PITさんたちが「夢見る家庭内ゴシックファンタジー」と位置付ける物語で人死にが出るというのは…あ、薔薇屋敷編では結構物騒でしたっけ。

>同類(多分)の“存在を感じ”取った
あ~っ、良いですね、それ。その方がよほど自然です。
ジュン君にはダイレクトメール、巴ちゃんにはセールス電話、という具合に人工精霊も色々と調査して作戦を立てているように思えたものですから。

>それまで銀様には“罪悪感を感じる・トラウマになる・自分が許せない~”という思考は無かった
確かに、今までちゃんと契約してマスターを持ったことは無かったようですね。とすると、別の(水銀燈のマスターに相応しくない)人間からばかり力を奪ってきたのかもしれません?

またお待ちしてます~
表現のアヤというべきか…
物騒である,という言葉で、12月号・32Phaseでの薔薇水晶の設定(特に右目)を想起しました。あれは、RM以外の様々なグロ系漫画を平然と読んできた自分でも少し引くものがありましたので…(ギャグ部分などの大きなギャップがありすぎるから)
結構、そんな設定がPEACH-PIT先生の作品にはあると思います(特に、自分がちょうど昨日購入したZ-L.3とか)。
ちなみに、{~銀様にはそのような思考がなかった~}へのレスの部分についてですが、それは早急すぎる結論であり、特に“ふさわしい・ふさわしくない”人との触れ合いや契約とはまだ直結できないのでは,と考えています。
こんな表現も何なのですが、“思考の、混乱(又はぶっ壊れ)度合い”が、たまたまめぐがこれまでの人に比べて最も大きく、且つ銀様に近い,“ただそれだけのことだった”という、必然のように思える偶然だった
…というのではないかというような解釈の方がこじつけも少なくなると考えているので。
# Verdazuri-Hgさん、こんばんは~

>薔薇水晶の設定(特に右目)
あれはね~、引きましたよ、私も。あれはアニメには出せないですよね、子供も見るのに。薔薇水晶が発表された当時は、原作とアニメで目の左右が違うのは設定を変え過ぎだと思っていたのですが、そのくらいはっきりと違いをあらわす必要があったのかな、と今では思っています。PEACH-PITさんたちが「もものたね」で写真を公開しているご自分たちのお人形の中にも片目(眼帯付き)の男の子がいるので、ずっと温めていたネタだったのかもしれませんね。

>Z-L.3とか
ゾンビーローンは私にはグロすぎてパスしてます…一通り立ち読みだけはしましたが。DearSも、ちょっとエロすぎてこれもパスしてます…。これも立ち読みだけ。ま、ローゼンメイデンも本来はホラー(?)ですから。

>必然のように思える偶然だった
そういうのもアリですね~。ジュン君と真紅の相性は原作で明らかにされていますが、他のドールとマスターの組み合わせは私の中ではいまだに納得できていないところがあるので、もう少し考えてみます…。

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