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薔薇乙女の契約について、又はジュン君には本当に拒否権は無かったのか

 トロイメントを見続ける前にちょっと復習。第1期アニメの第1話「薔薇乙女」でジュン君は真紅と出会い、訳も分からない内に「契約」させられ、以来、真紅が「力」を発動する度に体力を吸い取られる羽目に。ジュン君がその運命を恨む言葉が、第1話の最後に叫ぶ「最初から僕に拒否権は無かったのか!?」なのです。
 しかし、本当にジュン君に拒否権は無かったのでしょうか。今日のテーマは薔薇乙女の指輪の契約です。
 原作コミックスとアニメ版を見比べると、薔薇の契約に関しては特に違いはありません。結論から書いてしまいますと、
(1) 人工精霊が、担当する薔薇乙女に適する媒介(ミーディアム)候補を選定します。
(2) 人工精霊が、何らかの形で媒介候補に「まきますか、まきませんか」と質問します。
(3) 媒介候補が「まきます」と意思表示した場合は、鞄に入った薔薇乙女が媒介候補のもとに届けられます。「まきません」の場合は不明です。
(4) 媒介候補が薔薇乙女のネジを巻きます。巻かなかった場合は不明です。
(5) 薔薇乙女が媒介候補を認めた場合は、指輪を渡します。渡さなかった場合は、契約に至りません。
(6) 媒介候補が指輪にキスすると、契約が成立し、以後、薔薇乙女は媒介候補から「力」を受け取ることができるようになります。媒介候補がキスしなかった場合は不明です。
という手順で契約は結ばれます。
 このように、人工精霊、薔薇乙女、媒介(候補)の全員に、契約するかどうかの意思決定をする機会が与えられていることが分かりました。特に、その機会が薔薇乙女には(5)の一度しかないのに対して、媒介(候補)には(3)、(4)、(6)の3度もある点に注目すると、ジュン君に「拒否権」は十分あったと言えます。
 しかし、(2)の「まきますか、まきませんか」の質問は、ジュン君の場合は普段から数多く目にして見慣れているあやしい通信販売のダイレクトメールを偽装していたり、原作コミックスの巴の場合は電話アンケートを装っていたりと、どうも人工精霊のやり方は誠実とは言えません。実際に(3)では、ジュン君はインチキ通販と誤解したまま「まきます」に丸をしてしまいしたし、巴の場合も、この質問に対する答は明らかにされてはいませんが、雛苺の鞄が届けられることを予想していなかったことが「いつの間にか鞄が……」と言う台詞(原作コミックス Phase 9、単行本第2巻収録)から窺えます。
 さて、(4)で媒介候補は鞄を発見し、恐らくは好奇心から鞄を開け、アンティークドールとネジを発見します。ここで、(2)の質問がサブリミナル的効果を発揮します。目的語が不明だったとは言え、一度「まきます」と意思表示したばかりですので、アンティークドールのネジを巻く行動は自然に行われてしまうのでしょう。ここまでは人工精霊の作戦勝ち、と言った所でしょうか。
 次は、(5)で薔薇乙女に選択権が移ります。薔薇乙女はそれまで鞄の中で眠っていましたから、「ネジを巻かれてしまう」までは自分の身に何が起こっているかを知ることが出来ません。真紅はジュンと契約することを「不本意」だと言いつつも水銀燈の刺客の登場によって急いで契約を済ませます。水銀燈は、原作コミックスではめぐちゃんと契約する気になれないままでいますし、アニメ版でもやはり媒介との契約を行っていないことが最終話「真紅」で真紅の口から明らかにされます。翠星石に至っては原作コミックスでは結菱氏を、アニメ版では時計屋のお爺さんを、完全に拒絶して逃げ出してしまった上に(両氏にとっては少なからずショックだったのでは?)、特に原作コミックスでは人工精霊の選定とは関係ないジュン君と勝手に契約してしまいます。こんな行動が可能なのは、薔薇乙女がネジを巻かれるだけである程度の力を得ることができるからですが、その結果、薔薇乙女には強力な拒否権と、それを実行する手段とが、ちゃんと用意されていることが分かります。
 そして、(6)で媒介候補に最後の選択権が与えられます。ここでは仲介役の人口精霊が介入することなく、薔薇乙女と媒介候補だけで契約を交わします。真紅の場合は、幸か不幸か水銀燈の刺客に急襲されて、真紅としては契約を急ぐ必要があったのかも知れませんが、同時にジュン君に迷う暇を与えずに契約を結ばせることに成功しました。一方のジュン君は、訳が分からないながらも生命の危機を感じて真紅に助けを求め、そして実際に助けてもらったのですから、その時点では契約内容の全貌を聞かされていなかったとしても、純粋な被害者とは言えません。巴はきっと「出会った時からずっと」「ただ泣いていただけ」の雛苺の泣き落としによって否、雛苺が気の毒に思えて契約したのだと思います。めぐは水銀燈のことを自分を空へ連れて行ってくれる天使だと思い込んでいましたし、蒼星石を求めた結菱氏や時計屋のお爺さんも結局は自分の欲望のために薔薇乙女を欲したのです。金糸雀のマスターとなったみっちゃんの場合が一番純粋に、「夢のローゼンメイデンシリーズ」を入手したかったのでしょう。
 このように、媒介候補に与えられた3度の選択権のうち、少なくとも最後の、そして一番重要な1回は、名実共に拒否権があることが分かりました。
 さて、ここでもう一つ謎が残ります。そもそも、(1)で人工精霊は何故ジュン君や巴たちを媒介候補に選定したのでしょうか。この先はまた後日。
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